2016年2月9日火曜日

狭山の森礼拝堂 中村拓志 NAP 2013 ★★★


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所在地  埼玉県所沢市大字上山口
設計   中村拓志 NAP
竣工   2013
機能   霊園施設・納骨堂
規模   地下1階・地上1階
建築面積 69.32m2
延床面積 110.49m2
構造   RC造・一部木造
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霊園の真ん中あたりから右手の森の方へと歩いていくと、森と霊園の境界辺りに森にまぎれるかのように建っているのがこの狭山の森礼拝堂。近い敷地に似たような規模の作品を同時期に手がけることで、まったく違うものにならないようにしつつ、かつあまりに同じ様なものにもならないようにと、うまく距離を保つのは難しそうであるが、そのバランス感覚も絶妙といわざるを得ない。

構造的にも扠首(さす)構造といって、白川郷の合掌造りに代表されるような、頂部で交差するようにして木柱を立て掛けあい全体を構成する日本に古くからあった木造の構造方式を、足元にて曲線を導入して下から上へと構造体に柔らかな変化を創り出しつつ、三角形の方向性を持った開口部にて外部を切り取り、光を取り込むなど、まったく新しい表現の方法として現代に生き返らせる挑戦。

森に同化するように、経年変化をする流紋の付いたアルミ鋳物板を外装材として使い、なおかつ後ろの木々の葉っぱの様に、乱葺きにすることで自然的な表現とスケールをつくりだす。

そして礼拝堂ということで、背の高い空間に6方向の開口部が時間の流れとともに異なる光の状態を作り出し、まぁ非常にうまくいっていると言わざるを得ない。地上の礼拝堂と、地下の納骨堂ということで、長時間の滞在をしないことから断熱などの機能的な要求の特殊さもあるだろうが、それら全てを考慮して、そして何に挑戦をするのかという明確な意図が見事にうまくいっている印象を受ける。

やはりこれくらいの規模の、かつ良質な建築が街中のあちこちに散らばっている。そんな日本の建築レベルの高さは世界でも誇るべきものだと改めて思いながら、「では、自分だったらどうするか・・・?」などと考えながら、緑溢れる霊園を後にする。
























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