2015年12月29日火曜日

ヴィクトリア・ピーク(Victoria Peak,太平山)★★★



2015年、日本で一躍時の人となった建築家のザハ・ハディド。彼女を建築界において有名にしたきっかけが、香港の夜景を眺めることができる高級住宅街でもあるヴィクトリア・ピーク(Victoria Peak,太平山) の山頂に計画された、住居付き高級クラブのコンペティション。そこで当時無名といってよかったザハの斬新な案を、審査員の一員であった磯崎新が大変評価し500を超える応募案の中から一等を与えた香港ピーク(Hong Kong Peak)と呼ばれる1983年に開催された建築コンペ。

結局その後クライアントの経済的な問題のために実現することはなく終わったが、「アンビルドの女王」と呼ばれるザハのキャリアの輝かしいスタート地点として、一気に彼女の存在を建築界の中心へと押しやった事件である。

そんな訳で、かつてザハ・ハディド事務所に在籍していたものとしてやはり思い入れのあるのがこの香港ピーク。標高は552メートル。香港の島側である「香港島」における最高峰の為に、古くイギリス租借時代より、港を見下ろす景勝地として親しまれ、元々は太平山と呼ばれていた山に対し、ヴィクトリア女王の名にちなんだ名前をつけたためにそう呼ばれている。

今回は旅の主導権を握っている妻が、どこから見る夜景がすばらしいかなど随分と細かくリサーチをしていたために、セントラルからとことこ歩いてやっと辿り着いた花園道駅で、山頂まで急斜面を駆け上がるトラムに並ぶために行列に並び、車内も斜面にあわせて段上になっている特注的な床面でかつて乗った時のことを思い出し、山頂駅ともなっている テリー・ファレル(Terry Farrell) 設計によるピーク・タワー(凌霄閣)へと到着する。

ピーク・タワーの屋上にある展望台には上がらず、人通りの少ない少々寂しく思える脇の遊歩道を歩くこと15分で到着した視界が開けた場所からは眼下に広がる100万ドルの夜景が見事に眺めることができ、少々もやがかかっていたが妻も十分に満足した様子でご満悦。

下りもトラムという手もあるが、恐ろしいほどの人が並んでいるために、ピーク・ギャレリア裏にあるバスターミナルから、タクシーを待つかバスを待つかで迷いながらもコスパと待ち時間を秤にかけて路線バスで坂道を下ることにする。




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