2015年6月13日土曜日

洛陽(河南省) ★★


「洛陽」と聞けば、古代中国の都として多くの風景が頭の中に浮かぶ名前である。正確には洛陽(らくよう、洛阳、Luòyáng)と呼ばれ、東周、後漢や西晋の首都として栄え、現代においても、北京や南京などと共に中国の「八大古都」の一つにあげられる都市である。

現在では中国の河南省(かなんしょう,河南省, Hénán)の中核都市として栄え、省都である 鄭州(ていしゅうし,郑州,Zhèngzhōu)と共に、約1億という中国でも最大の人口を誇る省である河南省の経済を支えている都市である。

河南省は所謂「中原(ちゅうげん、Zhōngyuán)」と呼ばれる黄河の中流と下流にかけての地域で、古代中国の多くの国が生まれ、覇権を争った歴史の舞台でもある。地図を見ていても、殷の都安陽、東周から長く都が置かれた洛陽、宋の都開封という3大古都を有する省でもある。

ではなぜその様に古代においてこの地が発展を遂げたかというと、地図をよく見てみると、省の北部を東西に貫く巨大な川が見えてくる。ズームアウトするとこの川が中国を東西に貫く二つの巨大河川の一つ「黄河」であることが見えてくる。その上流である西から順に、洛陽、鄭州、開封が位置していることが見えてくる。

さらに洛陽と鄭州の間、やや南に下ると中国五岳の1つの中岳である嵩山(すうざん、Sōng Shān)が聳え、禅宗の祖庭である嵩山少林寺を中心に禅の文化を発展してきた。

そんな歴史の拠点である洛陽にはぜひとも一度は訪れたいと願って止まなかったがついに機会が訪れたと、早朝の便で向かい、一日かけて市内を回り、深夜の便で北京に戻ることにする。

現在の市の中心には140万人が住むと言われ、中国ではそれほど規模の大きい都市とは思わないが、それでも100万人都市を考えたらやはり規模はかなりのものである。街中に入ると街を行きかう車のナンバーには「豫」の文字。それを目にすると日常とは違う場所に来たことを実感する。

街を東西に走る洛川の北がどうやら中心部のようであり、その東に位置するのが古い町並みの老城。その老城を東西に突っ切るように走るのが中州中路で、どうやらこれが街の中心道路であり、賑やかな商業施設がこの道沿いに展開する。

その一本南の西大街は老城の真ん中を突っ切り鼓楼まで達し、日が暮れてくると多くの人が道幅の狭い、車の走っていなかった時代の身体スケールの感じられる街並みを楽しみながら、道の両脇に展開する小吃を楽しんでいる。

街の南には世界遺産にも登録されている龍門石窟寺院。東の郊外には中国で一番最初の仏教寺院だといわれる白馬寺が位置し、悠久の歴史を感じるには十分の都市である。ただし、この時期はすでに太陽が真上から照りつけ、平坦な地形も手伝って日中は外を歩くことができないほどに暑くなり、その熱は夜になっても町中にこもってしまいなんとも夏は過ごしにくい都市である。

それでも、一度は足を運んでみたかった洛陽の地。現在のアジアのあちこちに流れる文化の源流もこの都市にあったのだと思いながら、できるだけ古代の風景を想像しながら一日を過ごすことにする。
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四大古都
六大古都  
八大古都
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河南省
黄河と長江
黄河と河南省

略称「豫」のナンバープレート




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