2015年3月7日土曜日

ノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Paris) 1225


やっと到着した折り返し点。パリの歴史が始まったとされるセーヌ川に浮かぶシテ島。何よりも外部から攻め込まれた時に防御しやすいことが一番の基礎に置かれていた時代を考えると、川の中心に浮かびある程度の広さを持つこのシテ島が選ばれたのは納得がいく。

そんな土地には都市の中心をなす宗教施設が古代より建設されるのはこれまた当然の成り行き。ローマ時代にはユピテル神域が建設され、ローマ崩壊後の中世にはキリスト教徒によってバシリカが建設される。そして1163年に、現在の教会堂の建設が開始され、1225年に完成をする。

その特徴的なファサードを構成する双塔(ツインタワー)は1250年まで建設が続き、石造りにおいてその高さを成し遂げるために発展したフライング・バットレスによって支えられる。

時代を確認すると、

ロマネスク 1000年から1200年頃
ゴシック  1150年頃から1500年頃まで
ルネサンス 1500年頃から1620年頃
バロック  1600年頃から1700年頃
ロココ   1700年頃から1800年頃

このパリのノートルダム大聖堂が初期ゴシック建築の最高傑作とされるのが見てとれる。

またこの教会堂の名を世界に知らしめる役割を担っているのが、1831年のヴィクトル・ユーゴーの小説「ノートルダム・ド・パリ(ノートルダムのせむし男)」「ノートルダムの鐘」としてディズニー映画にもなったこの小説であるが、学生時代に映画館に足を運んだ記憶が蘇る。

そんな歴史の中で常にパリの中心として聳えてきたこのノートルダム大聖堂。それだけにここを訪れる人はエッフェル塔やルーヴル美術館よりも圧倒的に多いという。

ちなみに「ノートルダム」とはフランス語で「我らが貴婦人」を意味し、つまり聖母マリアを指すという。その為に「ノートルダム大聖堂」とは聖母マリアに捧げられた教会堂ということになり、フランスだけでもパリ、ランス、シャルトル、アミアン、ルーアン、ストラスブール等々、ゴシックを代表する多くの教会堂が同じ「ノートルダム大聖堂」の名を持つことになる。

いつか北フランスのゴシック教会をまとめて見る機会を持ちたいと思いながら聖堂の背後から昇る太陽の日に照らされ、キラキラと反射するセーヌ川の川面を眺めながら先に足を進めることにする。


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