2015年2月7日土曜日

避暑山荘 ★★


承徳避暑山荘博物館の後部から出ると直接庭園エリアへと直接通じている。後部には広大な山エリアもあるのだが、冬季は入場規制がかかっているという。

中心に池を臨み、その中に浮かんだ島や周辺に配置された様々な景観スポット。中心に浮かぶ島の如意洲へ渡り、カチカチに凍った池の上でスケートを楽しむ人々の姿を脇目に、无暑清凉へ。それを通り抜けてその後ろに浮かぶ烟雨楼。そこで係りのおばさんに「対岸に渡るにはどう行けばいいか?」と聞くと、「氷の上を歩いていくか、それが嫌ならあそこの石橋を渡っていきな」と。周囲を見渡すと普通に氷の上を歩いて対岸に渡る地元民の姿。

「水」という移動を妨げる要素が、こうして「氷」になり固体化することによって、移動の距離の意味が変わってしまう風景。普段いるべきでない場所に、普通に人が歩いている風景を眺めながら、その異物混入による差異化された風景はなんとも面白いものだと先に進む。

石橋を渡ったところにある八角亭の水流云在。その先に進んだところの小さな河を渡ったところの文津阁。この寒さでも「流れ」てさえいれば、凍てつくことなく「液体」の状態を保つのだとまた面白がりながら遠くの尾根沿いに見える万里の長城らしき構築物を眺めながら先を進む。

右手の草原は馬を調教する場所だったらしい试马埭。そのはるか向こうにはこの街のシンボルとなっている巨大な岩が山の上にそびえている姿が視界に入る。少し視界を左に逸らせば、杭州の六和塔そっくりな永佑寺舍利塔が見えてくる。その手前には蒙古包が広がるエリアを通り抜け、やっとたどり着いたのが後部の出入り口。ここまでに既に10キロ近い距離を歩いているのでその広大さが理解できる。

せっかくだからと永佑寺まで足を伸ばし舍利塔を近くで見学し、係りのおばさんに出口を聞くと、「せっかくだから博物館のところまで戻っていきな。途中に景観スポットがあと二つあるから」と言われ、ここで出て寺院に行くのもまた後悔するだろうと、疲れを感じ始めた足を叩きながら牡丹园を抜けて先ほどの池脇にある热河泉へ。

そこから金山にそびえる镜水云岑を通り、スケート場の脇で氷の上でコマを回すおじさんを眺めながら阆风涤翠を通り、初夏の時期には蓮が綺麗なのだろうと想像力で風景を補正する。

そんな風にやっと戻ってきた正面入口。思いのほかに体力を使い果たし、残りの外八廟巡りが大丈夫だろうかと思いながら、風景には「季節」という重要な要素があり、一年の中で限られた時間に美しい風景画浮かび上がるのだと理解しつつ、それでも新しい風景を作り上げるのと、世界に存在する美しい風景をコピーすることの大きな距離を感じながら次の寺院に向かうためにバスを待つことにする。












































































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