2014年4月8日火曜日

ウクライナホテル セブンシスターズ 1957 ★★★


文化人アパートから南に進むとロシアのホワイトハウスに当たるロシア連邦政府庁舎(ベールイ・ドーム)が見えてくる。一見セブンシスターズの仲間かと思うような威圧的な様相を見せる建物の横をぐるりと回ってモスクワ川の脇にでると、川の対岸に目的地であるウクライナホテルのほっそりとしたファサードが見えてくる。

ふと今来た方向を見てみると、文化人アパートがひょっとこりと頭を見せてくれている。そしてさらに後ろを振り向くとロシア外務省が立ち並ぶ建物の後ろにひょっこりと頭を出している。つまりここはモスクワでもかなり珍しく、近い距離でセブンシスターズの三つを見ることができるスポットである。

周囲の建物の高さが抑えられ、それよりもかなり巨大なスケールで塔が上位の対応関係を見せてくれる都市の作り方。タワーのある都市。アイキャッチのある都市。複数のアイコンに囲まれる都市の楽しみを身に感じながら長いモスクワ川にかかる橋を渡ることにする。

このウクライナホテル。高さが170メートルとロシア外務省と同じ高さだが先ほどの文化人アパートよりは少々高い建物である。そして先ほどの文化人アパートに比べて両端の建物の高さが低いことが良くわかる。

現在ではRadisson Royal Hotel Moscowとなっているが、やはりもともとのその名の通りホテルとして設計されており、客室は1000室で下部にはアパートが入っていたという。

同じ高さと言ってもロシア外務所とは少々プロポーションが違っており、こちらの方が頂上の尖塔部分がかなり長くなっている。下部の3層が同じくらいの高さを持ち、それ以上の高さでこの尖塔が乗っているので、全体として頭の軽いほっそりした感じを与えてくれる。

その後ろに見えているのがいくつもの高層ビルが立ち並ぶモスクワ・シティと呼ばれる新たなる開発区。なんだかこれといって新しいアイデアを伝えるような建築は見当たらないが、今回参加したコンペでも何度も参照されたように、モスクワにとっては新しいモスクワの顔となるCBDであることは間違いない。

このホテルのロビーで休憩でもと思っていたが、やはり思ったよりも歩く距離があるので、少しでも先を進もうと次なる目的地を目指してモスクワ川沿いをさらに南下することにする。

















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