2014年1月28日火曜日

退去

今回の帰国の大きな目的は、長年に渡って拠点としてきた東京のオフィスを退去すること。今後の生活パターンを考え、また月々の使用頻度と家賃負担のバランスを考慮して、できるだけ身軽にしていく事に決めて、その為の諸々の手続きを済ませる予定。

書籍や家具などを運び出すのと同時に、公共料金や郵便の転送届け、契約してあるものを終了したりと何かと大変な現代の引越し。徐々にモノが無くなっていく事務所はここで過ごした様々な時間を思い起こすのに十分なセンチメンタルな空間である。

白紙還元だと友人に手伝ってもらいながら敷き詰めた杉板のフローリングに塗った白のペンキ。東京タワーを眺めながら色んな人と話をした屋上。多国籍な多様性が感じられる街の上に走る首都高速からの騒音を聞きながら眠った日々など。過ぎた時間をフラッシュバックするのに十分な時間をかけて大家さんへの挨拶を済ませる。

こうして徐々にこの街から、自分の痕跡が消えていくのかと思いながらも、それが都市の持つ自浄作用であって、どんな人間も結局は都市の中に飲み込まれ、そこに存在していたという痕跡すら流されていくのだろうと改めて都市の本質に思いを馳せる事になる。




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