2013年10月29日火曜日

Museum Boijmans van Beuningen Competition


夏の終わりから進めていた国際コンペ。

オランダはロッテルダムの、建築家協会・通称NAIの建物と、クールハース設計のクンストハルに囲まれたミュージアム・パークという敷地を利用して、隣接するベンジャミン美術館の倉庫機能を分離して、増加する収納作品に対応すべく、アート作品の保存に関する補修や梱包などの機能を満足し、かつこうした美術館のバックヤードとしての機能を一般に公開し新しい美術館のあり方を模索するというコンペ。

世界各国から応募された書類審査を経てショートリストされた5組の建築事務所によって争われるコンペで、ショートリストされた事務所は以下の5組。

MVRDV
Architectenbureau Koen van Velsen
Harry Gugger Studio / Barcode Architects
Neutelings Riedijk Architecten
MAD architects / NIO architecten / OKRA landschapsarchitecten

我々は地元ロッテルダムのNIOという建築事務所とチームを組んで、更にOKRAというランドスケープ事務所もチームに入りオランダと中国の距離と時差を克服しながら設計を進めてきた。

そのコンペ案提出が今月中ごろにあり、国慶節という大きなハンデを追いながらもなんとか満足できる案に纏め上げ、提出を追え、全ての点で問題なく受理された。その5組の案がオランダの建築ニュースサイトにアップされている。

Ontwerpen collectiegebouw Boijmans openbaar - architectenweb

コンペという数ヶ月の間に、その土地、周囲の環境、プログラムに関する考察、同様のプログラムを持つ参考建築に対する分析、要求面積の解き方、ボリューム・スタディ、構造方式とコストのバランスなどなど、とにかくこのコンペに参加しないと決して知らなかったような知識や領域に踏み込む事になる。

何もないところから、建築のプログラムを解きながら、空間を作り、都市に与える印象を調整し、産みの苦しみを味わい、チームの中での葛藤と、協力会社との間での葛藤を繰り返しなんとか一つの案にたどり着く。その距離は本当に果てしない。

11月の中ごろに現地でそれぞれの建築事務所によるプレゼンが行われ、すぐにでも結果が分かる事になっている。建築を始めて二年目。どうしても見たかったクンストハルを見る為に、なんとかやりくりして足を運んだロッテルダム。そこで体験したNAIの建物周辺の空間の豊かさと、それをしっかり日常の中で享受している人々の姿。

あの日から15年。同じ場所で自分達の建築を作る事ができるかも知れないチャンス。相手はかつて働きに行こうと思っていたMVRDV。相手にとって不足無し。後は良い結果がもたらされるのを待つのみか。

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