2013年7月16日火曜日

白川郷・五箇山の合掌造り集落 ★★★

ガラパゴス。

そう呼ばれて久しい現代の日本。

外界と隔離され、分断された環境の中で、独自の進化を繰り広げる。その代名詞。

つまりそこで繰り広げられるのは、外から見たら異体の姿。明らかに常識とはかけ離れた姿。そしてその姿の後ろには、その形に辿り着いた長い長い特別なストーリーが横たわっている。

まさに日本の真ん中に残されたガラパゴス。
それが世界遺産まで登録された白川郷の本当の姿。

小京都や小江戸と呼ばれるかつての都市文化を残す街並みは「昔ながらの良い街並みで」などと言われて愛でられるのは良く分かる。

南北に長い日本は各地で様々な気候区分に属することで、気候と地形に適した様々なバナキュラーな建築形態が生まれて、創意工夫を凝り返し、長い年月の中で淘汰され、統合され、徐々にその地ならではの形態に収束していく。それが生み出す美しい風景。

では、白川郷のような合掌造りの風景を日本の他の地で見かけるだろうか?

豪雪地方の積雪の知恵から生まれた角度の高い切妻造り。
断熱性を高める為に1mもの厚みを持たされた茅葺屋根。
民家というにはあまりに巨大な各住戸。
近代化の波の中で、なぜ建築の近代から距離をおくことが出来たのか。

それらを読み解くためには、この場にガラパゴスが生まれた複雑な背景を読み解く必要がある。下記のブログはそれをとても丁寧に、分かりやすく説明してくれている。「ほーーー」と何度もうなずくこと間違いなし。


深い雪のなか、人の温もりを思わせる暖かな灯りを見せる集落の風景。
真っ青な水田に囲まれ、年月を重ねた茅葺屋根の色がより鮮やかに映える夏の風景。

そんなあたかも仄々とした良き日本の原風景と安易に言ってしまいそうな風景が、厳しい歴史の中の微妙なバランスの上で成立してきた事実。
 
庄川でこちら側とあちら側に隔てられた先にあるのはユートピアかガラパゴスか。
そんなことに想いを馳せながら渡って帰るであい橋。
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世界遺産 (1995)
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