2013年7月20日土曜日

青岸渡寺(せいがんとじ) 4世紀 ★★


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所在地 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字那智山
山号  那智山
宗派  天台宗
創建  4世紀
開基  裸形上人
機能  寺社
文化財 本堂、宝篋印塔、那智山経塚出土(重要文化財)
札所  西国三十三所第1番
拝観時間 5:00~16:30
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世界遺産
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新宮市での参拝を終え、本日最後の参拝地である那智に向かって、那智勝浦新宮道路を飛ばす。道は綺麗に整備されているが片道一車線なので抜かすことが出来ずにイライラしながらもナビに表示される到着時間を睨みながら先を進む。

那智出口を下りて左に曲がり、山に向かってうねる道を行く。右手には那智川の流れが視界に入ってくる。拝観終了時間の16:30が迫りながら、やっと前方に那智山が見えてきて、道も山道に入り右へ左へと急カーブを繰り返す。

「駐車場あります」の看板が増えてきたなと思うと、いきなり大きな観光バスが止まっていて、ここが那智の滝に向かう場所なんだと思いながら、更に先に進み、上の
熊野那智大社と青岸渡寺(せいがんとじ)へと上がっていく。

山道の駐車場は既にガランとしており、車を停めてすぐに境内に向かう。残念ながら本堂は閉まってしまったようだが、境内はずっと解放されてる様子で、「それなら焦ってこなくても良かったのに・・・・」とやや悔しい思いをしながらも、気持ちを改め本堂に手を合わせる。

この青岸渡寺(せいがんとじ)。古来より那智の滝を中心にした神仏習合の一大修験道場であり、その由来は仁徳天皇の時代(4世紀)、天竺(インド)から渡来した裸形(らぎょう)上人による開基とされ、同上人が那智滝の滝壺で得た金製の如意輪観音を本尊として安置したという。

この境内から一段下に鎮座する美しい朱色の三重の塔越しに見える那智の滝の姿を見れば、古来より多くの人がこの地に自然の力を感じ、神聖を感じ取ったのが良く理解できる。

その為に、那智滝を中心とする自然信仰の場として早くから開け、中世から近世にかけて、隣接する熊野那智大社とともに神仏習合の修験道場として栄えた。

明治時代に神仏習合が廃されたとき、熊野三山の他の2つ、熊野本宮大社、熊野速玉大社では仏堂は全て廃されたが、熊野那智大社では如意輪堂が破却を免れ、のちに信者の手で青岸渡寺として復興したという。寺号の青岸渡寺は、秀吉が大政所の菩提を弔うために建てた高野山の青巌寺(せいがんじ)に由来すると言われているという。

そいう経緯で明治初期に青岸渡寺と那智大社に分離したが、今も寺と神社は隣接し、多くの人がこの二つの寺社を参拝している。境内中心の巨大な樹木は夜中に一人で見たら、きっと化け物だと思うような姿をしているのが印象的。

境内から見える那智原始林を背景とした那智の滝の姿。現代の細切れにされた時間とはまったくかけ離れたスパンの時間を生きているその姿に日常で溜まった澱が流されていくような気持ちになりながら、隣の熊野那智大社へと足を向ける。











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