2012年12月13日木曜日

レファレンス・レター

10年以上前に、ヨーロッパで建築を学ぶためにと、大学院への応募に必要な推薦状を書いて頂けるようにと恩師にお願いをさせていただいた。

若かりし頃の自分にとっては、その大学院へ入れるかどうかはとても大きな違いをもたらす為に、書いて頂いた推薦状を大切に保管しながらヨーロッパに渡った記憶は今でもハッキリと覚えている。

一年の終わりである12月。

様々な人にとっても区切りであることは間違いなく、これまでとこれからに想いを馳せて、そして準備をする時間でもある。

そんな訳で、オフィスに在籍するスタッフやインターンからレファレンス・レターをお願いされることも多くなるのがこの師走。20代中ごろのアメリカ人スタッフは、30歳になるまでに修士号を取っておきたいので、何とか来年の9月からの大学院に入学したいと、希望校へ提出する推薦状をお願いしてくる。

MITやプリンストンといった建築でも良く名の挙がる大学に加えて、不況の時には高等教育に戻って自らの能力を高める人が増えるので、更に競争率も激しくなっているだろうということで、できるだけ彼の特徴を描き、その大学の教育方針とどういう適合性があるのかを明文化するように心がけ、書き上げたデータをそれぞれの大学院の指定サイトにアップデートする。

フォーマットや一字一句まで気を配るその彼の姿を見ていると、この入学が当時の自分と同じくどれだけ大きな意味を後になって持ってくるのか、そんなことを想像しながら、過ごした時間に想いを馳せながら、希望通りの大学院に入って、思いっきり自分の情熱を向けて学んできてほしいと思わずにはいられない。

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