2012年9月18日火曜日

したたかに、力強く

最も緊張感が高まると言われた18日。

家の近くのイトーヨーカドーは用心の為にと昨日より営業を取りやめ再開の目処はたっていなく、オフィスの近くのセブンイレブンも今日より営業を取りやめ始めた。

しかしオフィスで働く近しい中国人が、中国人らしい視点で今回の騒動を説明してくれる。週末より急激に増えた市内を走る大型バスは非常に統制が利いており、北京で暮らしを持つ人はそれぞれが日常の仕事で忙しいはずの、これだけの大人数の参加者がいったいどこから沸いて出てきているのか。外国人としてはなかなか感じ得ない視点で解説してくれ、最後には「個人には絶対危害は及ばないし、すぐに落ち着くはずだから心配しないで」と言ってくれる。

他の外国に住む友人からも沢山の心配するメールをいただいたが、それぞれの国で報道されている内容を考えても、この騒動で中国が失うものは我々にとってはとてつもなく大きいだろうと想像する。しかし、人が行うことである以上、誰かが、何かの目的を持ってやっているはずで、そこには必ず失うものよりも大きな得るものがあるという確信があるはず。

一見、ある秩序が守っているようにみえる世界は、それでもやはり野生であり、そこに生きる人たちは我々が思っているよりもずっとしたたかに、事象をじっとりと洞察し、戦略・戦術・戦闘を使い分け、短期・中期・長期のヴィジョンを持って自らの生存に力を注ぐ。

国家は人の集まりである以上、行き着くところ誰か一人の意志がすべての根源であるはず。それが現行のリーダーなのか、次の10年を導く人なのか、それとも彼らの視点が捕らえる先にある大国の誰かなのか、それが誰にせよ、狙うべき本来の対象をしっかりと捉え、そこに向かって最短距離のアプローチを行い、現状以上のベターな状況をつくりだす案を提案し納得させる。それが外交。もしキーとなる人間が、「やめろ」と言えば、街中で騒ぐ人々の姿や島に向かう漁船の姿はあっという間に消えていく。それがこの国。

現在やっきになって総裁選にむかって声を上げている各候補者たち。「私ならこうする」などといいながら、誰一人具体的な案すら提示しない。いっそのことそれぞれに二日間の猶予を与え、その間は他の外交ルートでは何もしないようにして、それぞれがいう「私が持っているルートや人脈」とやらを駆使してもらって、今回の騒動をどうおさめられるのか、それを見たうえで、本当の実力に投票をしてもらいたいものだ。

一人の人間として、野生の中で少しでもしたたかに、そして力強く生きていこう。

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