2012年7月4日水曜日

神と龍

空の上では神の船が帆を張らせ、
水の下ではミズチが這いまわる。

そんな風景をつなぐキーワードは資源。

人類に取り残された数少ないフロンティアである宇宙と深海。
隣の国では弄んだつもりの神の炎がガイアの怒りに揺さぶられ、
収め先が見えぬまま有望な代替方式に目を向けられずにいる間に、
悠久の歴史から目覚めたようなミズチたちは、
今まさに成熟した龍に成らんかとするようにフロンティアを駆け巡る。

安全基準が未確定のままに再稼動に舵を切った日本の舟を横目に、
続くように飛び込んで来た中国の二つの国家プロジェクトによる快挙。

アジアを覆う梅雨空の上で繰り広げられたのは、
有人宇宙船「神舟9号」による無人宇宙実験機「天宮1号」とのドッキング。
米国、ロシアに続いて三カ国目となる快挙である。
その先に見据えるのは月面着陸であり、
それは「LIMIT」で繰り広げられるかの様な、
膨大な宇宙資源への先行投資に他ならない。

そんな思いをで空を見上げているその足の下では、
日本の技術の粋を集めた深海潜水艇「しんかい6500」の限界を超えて、
深海7000メートルまだ達するという深海有人潜水艇「蛟龍号」が、
その名の蛟龍の様に天に昇り龍となる機会をうかがいながら、
深い海の底を這いずり回るようにして目を光らせて、
大陸棚に眠るメタンハイドレードを知らせる気泡を横目に、
未知の資源を目指して更なる海底へと身体をうねらせることだろう。

震災で傷ついた国家を慈しんでもらえる時間はとうに過ぎ去り、
世界はその次へと動き出しているというのに、
それを見て見ぬふりを決め込んでいるのか、
それとも本当に見えないのか知らないが、
日本人であることを誇りに思い、
日本人であることに感謝をできる、
そんな次世代が生まれる為に、
そろそろ本当に変化が必要な時期だろうと思わずにいられない。

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