2012年4月27日金曜日

食堂


同じ釜の飯を食う。

とは良く言ったものだが、我々のオフィスでは昼食時になると近くのレストランからいくつかの料理を持ってきてもらって、大きな炊飯器で白米を炊き、用意してあるお椀と箸を取って各自が好きによそい、各々気の合う同士でテーブルに座って食べる様にしている。

社食のようなものだが、別に各自が払ったり給料から差っ引いたりはせず、食費の安い場所だからできるある種の食堂空間。昼の時間が近づくと急に賑やかになり、皆が勝手気ままに食べて話して笑って、今日のおかずはなんだ?なんてワイワイやっている。

今日は自分の好きな菜が無いな・・・と何だが学校の給食を思い出しながら、馴染みの事務の子に、「明日は地三鲜と干扁四季豆と皮蛋豆腐のどれかでいいのでお願い」と頼み込む。

ご飯を食べ終わると、皆それぞれに20分くらいの散歩に出かけて消化を促進するので、昼食後が一番オフィスが静かになる。プロジェクトの事で誰かを捕まえたくともいなくなってしまうからしょうがない。

しばらくしたら阿姨さんが片づけをしてくれて、レストランのスタッフが道具を取りに来て、またもとの作業スペースと戻っていく。一日に一度現れる食堂空間。

食べることは一日の中でたった3度しか訪れないハレの時間で、その時間に人はもっとも自分らしく、一番素の姿を見せるものだと納得。同じものを食べて、そんな時間を共有する仲間にはいつの間にか自然と親近感が沸いてくる。

そんな空間があるのは豊かなことだろうと思いながら明日の菜に想いを馳せる。







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