2011年11月15日火曜日

東京の住宅

建築を学ぶ上で、必ず一度は夢見るのは自分で設計する住宅。

何もない状態から、施主の夢を一緒に形にしていく、その喜びは格別。そしてそれは独立して長く続く小さな建築事務所時代で、とても大切な仕事となる。その為に住宅設計のマーケットがどのようになっているのかを知っておくことは、小さな建築事務所にとってとても大切なこととなる。

ひょっとして仕事自体がないのに、探しているのかもしれないし、仕事はあるのにまったく検討はずれのところでジタバタしている。そんな可能性だってあるだろう。

書店に行けば、そんな情報をまとめている雑誌などが多く売っているが、もっと手っ取り早く調べるのには国がだしている統計。


それによると、平成22年の全国新設住宅着工戸数は 813,126戸。(ちなみに平成元年は1,662,612戸で20年で約半数に減っている)
そして東京都での新築は123,996戸。つまりは日本の新築の15%が東京で起きているということ。

では東京の状況を詳しく見るためには、東京都のだしている統計をみることとなる。それが


これから分かることは
・資金面で見るとほとんどが民間資金住宅であること。
・分譲と貸家がほとんどを占めて、持ち家は15%くらいだということ。
・隣接3県の合計とほとんど同じ数の新築が東京都であること。
・市部での新築は20%ほどで、都心3区で6%。都心10区としても24%(つまり7区で18%)、都心11区で26%(つまり荒川区で2%)。つまり市部と都心11区合わせて46%ほど。
・都心11区に入ってない区は、板橋区、北区、足立区、葛飾区、江戸川区、練馬区、中野区、杉並区、世田谷区、目黒区、大田区、品川区の12区。そこで54%ほどということ。


ちなみに
都心3区とは、千代田区、中央区、港区
都心10区とは、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、渋谷区、豊島区
都心11区とは、東京都住宅マスタープラン(2001-2015)におけるセンターコアエリアに含まれる、または跨る特別区:千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、渋谷区、豊島区、荒川区
隣接3県とは、埼玉県、千葉県、神奈川県

そして予想によれば、今後は年80万戸、つまり前年同様の推移を辿るだろうということだ。

数字として見るとなかなか分かりづらくなってしまうが、つまりはもうかつての様に街の中で至る所に住宅の建築現場を見るようなことはないし、よほど賢く動き、実力と運を縁を兼ね備えないと、東京で住宅の仕事を手がけることは難しいが、それでもやはり新築住宅は建っていくということ。

雑誌に掲載されたり、ホームページを利用したりといろいろ方法は多岐に渡るが、できるだけそのマーケットの近くに自分を置くこと。これができることが建築家にも求められる時代だということを実感する。

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