2010年11月28日日曜日

「真夏の島に咲く花は」 垣根涼介 講談社文庫 2006 ★★
















フィジーはどこ?と聞かれて、イメージはあるが、正確な場所と言われたら結構分からないもんだと思いながら、グーグル・マップで確認をする。

暫くぶりの垣根作品。南米から一気に飛んで、今度は南太平洋に浮かぶフィジーの話。

外で寝ても風邪もひかない気候のなかで、ちょっと森に入れば果物もタロイモも空腹を満たすには十分なほど取れて、昔ながらの部族制度に守られて土地を皆で共有するフィジー人。そんな彼等の機嫌が悪くなるのは、お腹が空いた時か眠い時。

その昔、イギリス植民地だったこの地は、支配階級のイギリス人が、フィジー人のあまりのぐうたらさに匙を投げ、同じ植民地であったインドから大量労働力としてのインド人を入植させる。

ある日首都で起こったクーデターに翻弄されるフィジーに暮らす様々な背景を抱えた人々。明日の心配の為に今日働くという資本主義に対して、明日の心配をする必要の無い人とっての幸せとはやはり違った形になってくるのか?

楽園は自分を作ってくれる皆がいる場所で、自分が笑っていれる場所なんだ。

いつかはそんな国に行って、カヴァを飲みながら、タロイモ料理を味わうのも悪くはなさそうだ。

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