2009年7月29日水曜日

「KAPPA」 柴田哲孝 2007 ★★★

UMA好きで、川口浩探検隊に胸を躍らせて小学校時代を送った年代の男性には堪らない内容の小説。

ライターの有賀雄二郎が、ランドクルーザーを飛ばして茨城県牛久沼へ。追ってきたのは噂される「河童伝説」・・・

コールマンのカナディアン・カヌー。
プラノのタックルボックス。
ガーバーのサバイバルナイフ 。

まったく分からないが、アウトドアに憧憬を覚える世代にはこんな大人になりたいと思わずにいられないような単語が飛び交う。

ポークというルアー
ラインは14ポンドテスト リールもABU3500C タックル
小麦粉をまぶしてムニエルに
バスロッド ベイト スピニング
スウェーデンのABU社

などと、兎に角作者の自己満足、自己顕示欲の様な描写が続き、釣り自慢を書きたかったからこの主題を選んだのか、それとも・・・と卵が先か、鶏が先か考えながらも読み続けることになる。

外来種による生態系破壊の深刻さという、全うなオチで終わりながらも、伝説とUMAを絡ませ、ドキドキハラハラさせて最後まで飽きさせないその手法に納得し、自作を期待させるに十分な一冊。

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